【聖書箇所】
「ヤコブ3:5 同様に、舌も小さな器官ですが、大きなことを言って誇るのです。ご覧なさい。あのように小さい火があのような大きい森を燃やします。
3:6 舌は火であり、不義の世界です。舌は私たちの器官の一つですが、からだ全体を汚し、人生の車輪を焼き、そしてゲヘナの火によって焼かれます。
3:7 どのような種類の獣も鳥も、はうものも海の生き物も、人類によって制せられるし、すでに制せられています。
3:8 しかし、舌を制御することは、だれにもできません。それは少しもじっとしていない悪であり、死の毒に満ちています。
3:9 私たちは、舌をもって、主であり父である方をほめたたえ、同じ舌をもって、神にかたどって造られた人をのろいます。
3:10 賛美とのろいが同じ口から出て来るのです。私の兄弟たち。このようなことは、あってはなりません。」
【抜粋】
舌は人間にとって小さな器官です。しかし、大きな事を言って誇るのです。ここでは舌の事を小さな火にたとえています。小さな火が大きな森を燃やしつくしてしまう力が有ると言う事です。体の小さな器官の舌は大きな力を持ち体全体を汚し、人生をも狂わし、最終的には人間の滅びの道である燃えるゲヘナへ投げ込まれ火によって焼かれるという結末を迎えると言う事です。舌が体全体を汚し、その代償として永遠の死が私達に約束されるのです。
いじめと言う言葉が学校で使われいますが、今では職場でも、公園でも、町内会でも使われるようになって来ました。昔はガキ大将がいて、暴力をふるってみんなを怖がらせていましたが、けして悪い子ではなく弱い者の味方をする事が多かった様に思います。ドラえもんに出てくるジャイアンの様にです。しかし、今の時代は腕力による暴力ではなく、言葉による陰湿な暴力が人を傷つけ落ち込ませ死へと追いやるのです。舌の微妙な動きによって発せられた音によって人を殺すのです。また、それとは反対に人の言葉の暴力によって、いじめに合い傷つき、落ち込み自殺を決心した人に対して愛をもって語る言葉は、その傷ついた心を癒す力をもっています。その言葉によって傷ついた心が癒され自殺を思いとどまる事が出来たとしたら、その人は言葉によって生かされたのです。舌は小さな器官です。この小さな器官が、微妙な動きによって、人を殺す事も、生かす事も出来るのです。ですから、私達は、口から出てくる一つ一つの言葉に責任を持たなくてはなりません。また、言葉が足れない事による勘違いや、思い違いによる争いがおこる事もありますので口から出る一つ一つの言葉に責任を持たなくてはなりません。
7節8節では人類はどのような種類の獣も鳥も、はうものも海の生き物も制する事が出来るが自分の舌を制御する事はだれにもできないのです。舌は少しもじっとしていない悪であり、死の毒に満ちていると言うのです。毒は人を殺します。人を殺したくない人は、口にくつわを掛けなければ大変な事になります。
私達は隣人と話をしている時、舌による種を蒔いています。その話が悪い話であれば悪い種を蒔いており、その話が良い話であれば良い種を蒔いている事になります。やがて蒔かれた悪い種もよい種も話しに花を咲かせやがて、実がなります。その実は悪い実も、良い実も30倍、60倍、100倍になってあなたに帰ってきます。悪い実は、悪い評判となって、良い実は、良い評判となって帰ってきます。
9節10節では私達の舌は主を賛美し褒め歌を歌い感謝し御言葉を話し信仰を告白します。しかし、ある時はその同じ舌で争いごとの火種を蒔き敵対し神にかたどって造られた人をのろう者がいる事について、ヤコブは賛美とのろいが同じ口から出て来るような事が有ってはならないと言っています。
「悪い言葉を、いっさい口から出しては行けません。」と聖書は教えています。言葉は、人の徳を養う為に役立つ言葉と、聞く人に恵みを与える言葉を語りなさいと聖書は教えていますが、私達の口からは、時々、悪い言葉が出てきます。まれに常に悪い言葉を出している方もいます。
私達の口から出てくる言葉によって、人の徳を高め、口から出てくる言葉によって、人に恵みを与える為にはどの様にしたら、良いでしょうか?
次の御言葉に答えが有ります。
「ルカ6:45 良い人は、その心の良い倉から良い物を出し、悪い人は、悪い倉から悪い物を出します。なぜなら人の口は、心に満ちているものを話すからです。」
悪い言葉をいっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。しかし、私達は自分の舌を制する事はだれにも出来ません。御言葉でそう言っています。ではどうしたら良いのでしょうか?この御言葉に答えが有ります。
人は心に満ちているものが口から出て来るのです。舌を制する事はだれにも出来ないのであれば、悪い言葉をいっさい口から出さない為には、心を制するしか方法は有りません。「なぜなら人の口は、心に満ちているものを話すからです。」私達は心を制して、心に良い倉を作りそこから必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与える者と神に変えていただく必要があります。人の口は、心に満ちている物を話します。ですから、心の中から悪い物を締め出し、心の倉を良い物で満たす事以外に、舌を制する事や悪い言葉を口から出さない事を実現する事は出来ないと言う事です。舌を制する為には心を制する事と言う事を学びました。